不要な土地の処分の方法について |不動産などの共有物解消に強い弁護士|都総合法律事務所

共有解消ドットコム
不動産などの共有物の解消手続に強い都総合法律事務所

不要な土地の処分の方法について

先日のコラムでは、不要な土地は所有していてもデメリットが大きくなることを、理由を3つほどつけて紹介させていただきました。

そこで「デメリットがあるのは分かったけど、じゃあどう処分したらいいの?」というお悩みをお持ちの方もいらっしゃると思いますので、今回のコラムで具体的に不要な土地の処分方法について説明させていただきます。

不要な土地の処分方法

①       土地を寄付する

一般的な方法で土地を売却することができなかった場合には、土地を寄付することが考えられます。寄付の相手方としては、大きく分けて「個人」・「法人」・「地方公共団体」の3つが考えられます。

・個人に寄付(譲渡)する場合

この場合は、相手方の承諾があれば大丈夫なのですが、ただでさえ使い道に困っているような土地を欲しがる人は少ないと考えるのが自然です。ですが、だからといってあきらめる必要はありません。隣地の人であれば、有効活用もできる可能性がありますし、もともとあった土地とまとめて1つの土地とすることも可能です。この点では、需要があるかもしれません。

・法人に寄付(譲渡)する場合

法人への寄付も検討してみるとよいかもしれません。
個人であれば、隣地の所有者くらいしかすぐに思い浮かぶ寄付先はありませんが、法人であれば事業や保養目的としての利用も考えられるため、欲しがる企業はあるかもしれません。また、個人だと譲渡を受けるための税金がかかりますが、法人であれば費用も経費扱いとすることができます。
なお、寄付先の可能性としては、一般企業より公益法人等(社団法人や学校、自社、NPO法人など)の方が高いと言えるでしょう。

・地方公共団体に寄付する場合

寄付先として思い浮かぶのは市町村などの地方公共団体もあります。
しかし、実際には自治体は使用する目的がなければ土地など不動産の寄付を受け付けてくれません。もちろん、自治体ごとに設けられた条件を満たせば、無償で引き取ってくれますが、これはあまり多くありません。というのも、市町村にとって土地の所有者に対して課税する固定資産税は大事な収入源であり、その土地を特に使い道もないのに受け取っていては税収が減ってしまいます。

以上3つが寄付の場合になりますが、これらには別途税法上の問題も関わってくることとなり、「誰でも簡単に」とることができる選択肢とは言えないかもしれません。

②       土地を放棄する

この方法が最も簡単な方法に見えますが、残念ながら、現行法上は不動産の所有権を放棄することはできません。ですが、遺産相続において当該土地が不要である際は、相続を放棄することでその土地を処分することができます。

この方法をとる際に注意しなければならないのは相続する「すべての」遺産もほうきされるということです。当該土地だけ放棄する、なんてことはできません。

③       土地を売却する

これがもっとも望ましい方法と言えますが、寄付する場合と同様、お金を払ってまでその土地が欲しいひとを見つけることはかなり難しくなります。建物がある場合は更地にしたり、価格を下げることで、もしかしたら買い手が見つかるかもしれません。

さらに、空き家バンクに登録してみるのもよいでしょう。空き家バンクに登録すると、自治体やNPO法人などが運営するサイトに物件が登録されます。空き家バンクは、基本的に移住希望者しか利用できないため、一般の不動産を求めている人とは別の層の閲覧者が物件の情報を見ることになります。

以上が不要な土地を処分する方法になりますが、いずれもなかなか難しいと言わざるを得ません。増加する空き家問題に歯止めをかけるために法改正が行われる可能性はありますが、それも将来の話です。

 

もし、お困りのことがございましたら弊所、都総合法律事務所までご相談くださいませ。

共有に関して、なにかお困りのことがございましたら、弊所、都総合法律事務所までご相談ください。

不動産関連でなにかお困りのことがございましたら、弊所、都総合法律事務所までご相談ください。

「地主の、地主による、地主のための法律サービス」を展開しております。

夜間・休日相談、オンライン相談も承ります。

年中無休・24時間予約受付

都総合法律事務所 弁護士 高谷滋樹

 

共有解消ドットコム

https://kyouyukaisyou.com

都総合法律事務所
http://miyakosougou.kyoto.jp

LINE@にて、お友達登録よろしくお願いいたします。

https://page.line.me/492iyygt?openQrModal=true

YouTube チャンネル にて、放映中です。

https://www.youtube.com/channel/UCd_T5ov-pYPnuviH2mKwVag

 

その他のコラム

下水排泄のための隣地利用権についての判例

ライフラインである下水管を隣接地に設置する際に、下水管の敷設工事の承諾及び当該工事の妨害禁止請求が権利の濫用とされた判例があります(最判平成5年9月24日)。     この事例では、下水管の設置を請求した側の所有する建物が、建築確認を受けておらず、加えて特定行政庁の工事の施行の停止命令を無視しており、建築基準法に違反して建築されていました。したがって、

共有物の使用方法でもめたら大変だ。

共有物の使用ルール   共有不動産について、その使用ルールを決定したいと考えた場合、どのように決定したらいいのでしょうか。 また、使用ルールがうまく決まらない場合に、訴訟を提起して使用ルールを裁判所に決定してもらうことは可能なのでしょうか。 まず、各共有者は共有物の全部について、持分に応じて使用することができます(民法249条)。 そのため、共有者間で使用ル

職権による自然人の住所等変更登記(令和3年不動産登記法改正)

令和3年不動産登記法改正により、他の公的機関からの情報に基づき、登記官が職権で変更登記を行うことができるようになります(改正不動産登記法76条の6)。   この規定の施行は、令和8年4月までに行われます。   これは、住所等の変更登記の申請義務の実効性を確保するための環境整備策として、手続の簡素化・合理化を図ることを目的としています。  

共有物の管理者

  改正前民法には、共有物の管理者に関する明文規定が存在しませんでした。 そのため、選任の要件や権限の内容が明確ではありませんでした。 しかし、共有物の管理者を設定することは、共有物を円滑に管理するという観点から有用であると考えられ、民法改正により管理者に関する規定が新設されました。   ①    管理者の選任・解任 管理者の選任・解任は、共

相続人である旨の申し出等(相続人申告登記、令和3年改正)

令和3年改正により、相続人である旨の申し出等(相続人申告登記)が新設されました(不動産登記法76条の3)。 これは、令和6年4月1日に施行されます。 同改正で義務化された相続登記の申請は、相続人が複数人おり、遺産分割協議が難航した場合、期限内の履行が困難となります。 まず、不動産の所有者が死亡した場合、その相続人間で遺産分割の協議がまとまるまで、相続人全員が法定相続分の持分割合で

関西の共有物の分割手続のご相談は
都総合法律事務所へ

induction-image