共有者が居住している共有不動産の売却
他の共有者が居住されている不動産を居住されていない共有者がそのままの状態で第三者へ売却することは可能です。
逆に居住している共有者が、そのままの状態で第三者へ自己の共有持分だけを売却することも可能です。
売買取引は、自分の共有持分の限りでは自由に行えることが可能です。
そもそも、共有不動産については、民法上、共有者の各自が共有物の全部について持分に応じた使用をすることができると規定されています(民法249条)。それにも関わらず共有者の一部の方だけが独占的に利用している場合には、他の共有者が不満に思うことは多々あります。その場合には、自分の共有持分だけを他者に売却して共有関係から離脱するという選択肢も検討できるでしょう。
または、共有者の一部のみが使用を独占している場合、使用ができていない共有者は、自己の持分に基づく使用の対価(賃料相当額)の請求を行なうことも検討可能です。
ただし、不動産の維持管理に必要な経費も共有持分に応じて負担しなければならないことも留意する必要があります。
住宅の場合は、現在住んでいる共有者の方が引き続き居住し続けたいと思われることが多く、まずは協議を行い合理的な解決方法を模索することがよろしいかと思えます。