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所有不動産記録証明制度(令和3年不動産登記法改正)

令和3年不動産登記法改正により、所有不動産記録証明制度が新設されます(改正不動産登記法119条の2)。

 

本制度は、改正法が交付された後、5年以内に施行されるため、令和8年4月までに施行されることになっています。

 

本制度では、登記簿上の所有者として記録されている不動産がリスト化され、そのリストの情報を証明することができるようになります。したがって、自らが登記簿上の所有者として記録されている不動産にかかる所有不動産記録証明書の交付を請求することができます(改正不動産登記法119条の2第1項)。

 

さらに、相続人等は、被相続人等にかかる所有不動産記録証明書を請求することができるとされました(改正不動産登記法119条の2第2項)。

 

すなわち、死亡した親といった、特定の被相続人の登記内容の証明書を請求することも可能となります。

 

所有不動産記録証明書は、法務局の登記官に手数料を納付することにより発行することができます。

 

従来は、死亡した親の不動産の所在地を調査することが困難でした。

 

そうなると、社会問題となっている所有者不明土地となってしまうため、その解消に向けた取り組みとして、本制度が新設されたのです。

 

これまでも、名寄帳といった、固定資産課税台帳を所有者ごとにまとめた不動産の一覧表は存在していました。

 

しかし、名寄帳は、市区町村ごとに作られていたため、市区町村をまたいだ不動産所有については、各市区町村において発行手続きをしなければなりませんでした。

 

さらに、どこに不動産があるかわからない場合には、どの市区町村で手続きをすべきなのかもわからないという状態でした。

 

本制度は、登記簿上の所有者が所有している不動産やその相続人が相続するすべての不動産を網羅的に確認することができるため、上述のような問題は起きず、手続きもより簡単になるとされています。

 

また、登記情報をきちんと把握できることから、とりわけ相続登記の漏れの予防にもなることが期待されています。

 

もっとも、所有不動産記録証明制度における不動産の登記情報が、必ずしも更新されているとは限りません。

 

そのため、登記した当時と情報が異なっている場合に、全ての不動産がリスト化されない可能性は指摘されています。

 

また、所有不動産記録証明書上の所有者が真の所有者であることを証明するものでもありません。

 

 

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