ライフライン設備の設置権等の新設規定(令和3年民法改正) |不動産などの共有物解消に強い弁護士|都総合法律事務所

共有解消ドットコム
不動産などの共有物の解消手続に強い都総合法律事務所

ライフライン設備の設置権等の新設規定(令和3年民法改正)

各種ライフラインのための導管等の設置は、日常生活にとって不可欠です。

 

もっとも、導管等を設置しようとすると、どうしても他人の土地等を通ってしまう場合があります。

しかし、導管等を他人の土地に設置する場合において、どのような根拠に基づいて対応すべきか、はっきりとは規定されていませんでした。実務では、民法や下水道法11条を類推適用することで対応されていました。

 

そこで、ライフラインのための導管等を念頭に置いて、継続的給付を受けるための導管等の設置にかかる規定が、令和3年民法改正により民法213条の2等に新設されました。

現行法では、電気、ガス、水道等の継続的給付を受けるためのライフラインを他人の土地に設置等する際の設備の設置権等が規定されていませんでしたが、改正により規定されることになりました。

 

土地の所有者は、他の土地に設備を設置し、または他人が所有する設備を使用しなければ電気、ガス、水道等の継続的給付が受けることができないときは、継続的給付を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置し、または他人が所有する設備を使用することができます(民法213条の2第1項)。

 

その設置等の場所及び方法は、他の土地等のために損害が最も少ない者を選ばなければならず(同条2項)、設置等に当たっては、あらかじめ、その目的、場所および方法を他の土地等の所有者等に通知する必要があります(同条3項)。

 

また、設置等のために当該他の土地等を使用することができ、この場合、民法209条が準用されます(同条4項)。

 

償金や費用についても、民法217条の2に規定されています。他の土地に設備を設置する者は、その土地の損害に対して償金を支払わなければならず(同条5項)、他人が所有する設備を使用する者は、その設備の使用を開始するために生じた損害に対して償金を支払わなければなりません(同条6項)。

 

また、他人所有の設備の使用の場合には、その設備の設置、改築、修繕および維持に要した費用の応分も負担する必要があります(同条7項)。

 

 

共有に関して、なにかお困りのことがございましたら、弊所、都総合法律事務所までご相談ください。

不動産関連でなにかお困りのことがございましたら、弊所、都総合法律事務所までご相談ください。

「地主の、地主による、地主のための法律サービス」を展開しております。

夜間・休日相談、オンライン相談も承ります。

年中無休・24時間予約受付

都総合法律事務所 弁護士 高谷滋樹

 

共有解消ドットコム

https://kyouyukaisyou.com

都総合法律事務所
http://miyakosougou.kyoto.jp

LINE@にて、お友達登録よろしくお願いいたします。

https://page.line.me/492iyygt?openQrModal=true

YouTube チャンネル にて、放映中です。

https://www.youtube.com/channel/UCd_T5ov-pYPnuviH2mKwVag

 

 

その他のコラム

共有不動産と賃料

今回のテーマは、「共有名義の不動産所有者は家賃を受け取る権利があるのか」というものです。 それでは早速、以下の具体例をもとに検討してみましょう。 「A,B,Cの三人の共有名義の物件をAが大家として賃貸している場合」 ある共有物件を、Aが大家としてZに家賃15万円で賃貸している場合、BとCはAに対して家賃の請求をすることが出来るのでしょうか。答えは結論から言うとYesです。共有不動産の賃料を独

共有関係からの離脱

不動産を共有しているものの、当該共有不動産の持分を手放してしまいたいと考えた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。 上記の事例の場合、共有者全員で共有物分割協議を行い、共有関係を解消するという方法や、自己の共有持分権を第三者に譲渡するという方法を用いれば、共有関係から離脱することができます。 ただし、これらの方法は、共有者間で協議を行ったり、第三者と交渉を行ったりすることで、他者

賛否を明らかにしない共有者がいる事例における管理事項の決定

社会経済活動が広域化する中で、共有者が共有物から遠く離れて生活し、共有者間の人間関係が希薄化する事例が増えてきました。 これにより、共有物の管理に関心を持たず、賛否を明らかにしない共有者が出てきてしまい、共有物の管理が困難になっていました。 そのため、賛否を明らかにしない共有者がいる場合には、裁判所の決定を得て、その共有者以外の共有者の持分の過半数により、管理に関する事項を決定すること

自分の土地が勝手に売られてしまう?「競売」とは?

「競売」という言葉をご存知でしょうか。おそらく多くの方が、「家が売られてしまう手続き」とお答えになると思いますが、その通りです。払わなければならないお金を払わない場合、マイホームが強制的に売られてしまう。これが「競売」です。 競売でマイホームを失った方のなかにも、「まさか自分の家が競売にかけられるとは思わなかった」と言う人が少なくありません。 では、どのような場合に競売にかけられてしま

令和3年民法改正(相隣関係)

令和3年の民法改正により、隣地の円滑・適正な使用という観点から、相隣関係に関する規定の見直しが行われました。   そこでは大きく、 ①隣地使用権の規定の見直し、 ②ライフラインの設備の設置・使用権の規定の整備、 ③越境した竹木の切り取りの規定の見直し、 の3点が改正されます。   これらの規定は、令和5年4月1日に施行されます。

関西の共有物の分割手続のご相談は
都総合法律事務所へ

induction-image