共有物の管理者
不動産管理共有不動産裁判手続
改正前民法には、共有物の管理者に関する明文規定が存在しませんでした。
そのため、選任の要件や権限の内容が明確ではありませんでした。
しかし、共有物の管理者を設定することは、共有物を円滑に管理するという観点から有用であると考えられ、民法改正により管理者に関する規定が新設されました。
① 管理者の選任・解任
管理者の選任・解任は、共有者の持分の過半数で決定できます。
共有物の管理が、共有者の持分の過半数で決定できることから、共有物の管理者の決定も同様の基準とされました。
また、管理者には、共有者以外を設定することもできます。
② 管理者の権限
管理者は、(軽微な変更を含んだ)管理に関する行為を行うことができます。
軽微でない変更を加える場合には、共有者全員(所在等不明共有者がいる場合は、裁判所の決定を得た上で、所在等不明共有者以外の共有者)の同意が必要となります。
また、共有者が共有物の管理に関する事項を決定した場合には、その決定に従ってその職務を行わなければなりません(改正民法251条1項、252条の2)。
この規定に違反して行われた管理行為は、無効となります。
ただし、共有者に対して無効であると主張できるとしても、当該管理行為が管理に関する事項の決定に反していると知らない善意の第三者に対して無効であることを対抗することはできません。
善意の第三者を保護すすることを目的としています。
実際には,具体的・個別的な事情によって法的な分類が異なることもあります。
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