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共有者間の定めなく占有する共有者への対応

共有不動産に関する使用に関して、その使用ルールが定まらない場合、共有物を使用することができません。

 

そのような状況の中で、無断で共有不動産の全部をいち早く占有した共有者に対して、他の共有者がどのような対応をとることができるのかが不明であり、早い者勝ちかのように保護されているという現状がありました。

そのため、令和5年4月1日施行の民法改正により、共有制度の見直しが行われました。

 

①    共有物の管理に関する事項の決定

改正前民法252条では、持分の価格の過半数により、共有物の管理に関する事項を決定できると規定されているものの、無断で占有している共有者の同意なく共有物の管理に関する事項を決定できるのかは明確ではありませんでした。

これに関して、共有物を現に使用する者の同意なく、その利益を奪うことは相当でないため、全ての共有者の同意を得なければ管理に関する事項を決定できないとの見解も有力でした。しかし、共有者間の定めがないままに共有物を使用する共有者を保護する必要性が高くなく、また、管理事項に関して過半数で決せられないとなると、利用方法が硬直化してしまうことから、民法252条1項が改正されました。

改正民法252条1項の後段は、共有物を使用する共有者があるときも、持分の価格の過半数で管理に関する事項を決定できると規定しています。そのため、無断で占有している共有者がいたとしても、他の共有者が持分の過半数で別の者に占有させることを決定することが可能となっています。

 

②    現に使用する共有者への明渡し請求

これに伴って、現に使用する共有者に対して明渡し請求を行うことができるかということが問題となります。

これについては、明渡しを求める理由を主張立証しなければ、当然には共有物の明渡しを請求することができないというのが判例の立場であり(最判昭和41年5月19日)、共有物の明渡しをどのような場合であれば請求できるのかが曖昧なままでした。

しかし、改正民法252条1項後段に基づき、持分の価格の過半数で別の者が共有物を独占的に使用すると定めた場合、その者は、従前共有物を使用していた者に対して、明渡しを求めることができるとされています(民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する中間試案の補足説明4頁)。

 

実際には,具体的・個別的な事情によって法的な分類が異なることもあります。

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