今さら聞けない、共有物分割請求とは?
共有不動産裁判手続共有不動産を所有している場合、自分の持分を売りたくても、他の共有者の同意がなければ単独で売却することができません。
しかし、必ずしも話し合いで全員が合意できる解決ができるとも限りません。
話し合いで解決できない場合、共有物分割請求を裁判所に訴え出ることができます。これを「共有物分割訴訟」といいます。
まず、共有不動産とはなんでしょうか。以下のようなものが共有不動産に当たります。
・亡くなった父の土地を兄弟三人で相続した場合の当該土地
・夫婦共有名義でマンションや家を購入した場合の当該土地
などその他
もし、なんらかの理由でこれらの土地を売却したいというときも、共有者全員の同意なしには一括で当該土地を売却することはできません。
しかし、自分の持分を明確にすれば、自分の持分だけは単独で売却したりすることも可能です。
このとき、まずは他の共有持分権者との話合いによって共有物の分割方法を決めるのが原則です。
しかし、他の共有持分権者が共有物の分割に応じない場合があります。また、分割することには応じたとしても、分割方法について折り合いがつかないケースもあります。
このような場合には、話合いによって共有物の分割を行うことができないので、分割を求める者は、裁判所に対して共有物分割訴訟という訴訟を起こすことにより、共有物である不動産を分割してもらう必要があります。
【共有物分割訴訟の流れ】
① 共有物分割協議を行う
② 共有物分割協議が不調になる・決裂する
①と②の段階を経て裁判を起こすことが多いです。
③ 共有物分割訴訟を行う
訴訟を起こす場合は、被告のいずれかの住所がある所を管轄する地方裁判所、もしくは共有不動産の所在地を管轄する地方裁判所に提起します。裁判所は当事者の主張と立証の内容を総合的に判断して、判決によって、共有物の分割方法を決定します。
訴えの提起後判決が出るまでの間は、半年以上かかるのが一般的です。
以上のように、共有不動産を分割するためには、まずは相手との話合いによって分割方法を決めることが多いですが、合意できない場合は最終的には共有物分割訴訟によって裁判所に分割方法を決めてもらう必要があります。
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