現物分割の問題点
共有不動産裁判手続現物分割は共有不動産を共有持分の割合に応じて物理的に分割する、非常に簡単な分割方法です。
しかし、実際には現物分割が難しい場合があります。
①物理的に分割ができない場合
現物分割は、共有不動産を物理的に分割して共有者で分け合うという分割方法のため、物理的に分割ができない場合には、現物分割を行うことができません。
例えば家屋は物理的に分割できないため、これにあたります。
②分割によって価値が低下してしまう場合
物理的に分割することが可能であっても、分割によって不動産の価値が低下してしまう場合があります。
例えば元々は広い土地を共有していたのにもかかわらず、持分割合に応じた分割をすることによって細分化され、非常に狭い土地になってしまうようなケースがあります。
そういったケースで現物分割を行うと、分割後の土地の価値が、元の土地を持分で割った価値よりも低い価値となってしまいます。
③そもそもどのように分割するかが難しい場合
一言で物理的に分割すると言っても、どのように分割するかは非常に難しい問題です。
なぜなら、不動産それぞれに特徴があり、分割によって特に接道や周辺の環境等が異なってくるからです。
そういった条件の違いにより、分割後の不動産の価値を持分割合と一致させるのはなかなか難しい作業になります。
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