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区分所有法改正について

現在、日本のマンションの総数は700万戸を超え、重要な居住形態の一つとなっています。

 

そうした中で「マンションの老朽化」と「区分所有者の老化」という2つの課題を、マンションの管理・再生の円滑化という観点から解決を図るため、2025年5月に建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」)の改正案が通常国会に提出され、可決されました。

 

2026年4月1日に施行され、これは平成14年以来のおよそ23年ぶりの大改正となっています。

 

したがって、今回は区分所有法の改正内容(決議多数決要件)について取り上げます。

 

 

区分所有法とは

 

通常、一戸建ての建物については一つの建物につき一つの所有権が認められており、民法の管轄になります。

そのため、集合住宅の場合であっても、各居住者の専有部分については所有者が各自、自由に管理することができます。

しかし、集合住宅の共有部分(エントランスやエレベーター)や建物全体の管理・修繕等については、所有者全員の意思を確認し、反映していく必要があります。

そこで民法の特別法として「集合住宅」における基本的なルールを定めた区分所有法が制定されました。

 

 

旧区分所有法

 

現行法では共同住宅において決議内容ごとに決議に必要な多数決要件が設定されています。(以下図を参照)

その際、所在等が不明な所有者に関しては、決議「反対者」と同様に扱われることになっており、相対的に決議成立が困難な状況が発生していました。

その結果、手付かずの建物が増加してしまっていたのです。

 

決議事項 多数決要件
普通決議:共有部分の簡易的な修繕など 所有者の過半数
特別決議:共有部分の大規模修繕など 所有者の4分の3以上
建て替え 所有者の5分の4以上
1棟リノベーション、取り壊し売却 所有者全員

 

 

 

新区分所有法

 

(1)   決議数について

 

決議事項 多数決要件
普通決議:共有部分の簡易的な修繕など 出席者の過半数
特別決議:共有部分の大規模修繕など 出席者もしくは所有者の3分の2以上
建て替え 原則5分の4以上。

客観的な緩和事由(耐震性などの問題等)がある場合、所有者の4分の3以上。

被災時等の緊急の建て替えが要される場合は、所有者の3分の2以上。

1棟リノベーション 建て替え要件と同一

 

 

新区分所有法では基本的な共有部分における変更決議は旧法を維持しながらも、上記の内容に加え、他人の権利侵害を回避するための共有部分の変更や、バリアフリー基準への適合のための修繕については「所有者の3分の2以上」とするなど、要件が緩和されました。

さらに、出席者多数決の制度が導入されたことも注目すべきです。

このように決議の円滑化が期待される一方で、緩和に対して慎重に実務運用を行うべきであることが指摘されています。

具体的には、工事の一部にバリアフリー工事が含まれている場合に決議の瑕疵が争われる可能性があることが危惧されています。そのため念のために、一つの工事全部につき、4分の3以上の同意を得ておくなどの対応を行うことが望ましいと考えられます。

 

 

(2)   決議不参加者について

 

新区分所有法では、請求者(当該所在等不明区分所有者以外の区分所有者、管理者、または管理組合法人)が裁判所に対して所有者の所在が不明であることの認定を求めて立証を行い、裁判所が除外決定を下した場合には、当該所在不明の所有者を決議の母数から除外することが可能となりました。

この除外決定は、区分所有権等の処分を伴うすべての決議に適用されます。また、海外在住等の理由で決議を欠席する所有者においては、国内管理人を指名(任意)することを認める制度が新設されました。

 

 

 

 

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